[PG12] アニマルカーレーサー ～優しいライオン族のライオネル、カーレーサーになる～ – 1章（しょう）・1節（せつ）・1話（わ）＊仲間達（なかまたち）

1/4. 僕（ぼく）は「」

僕ぼくはライオン族ぞくで名前はライオネル。

＊ライオネルは名前なまえも苗字みょうじも「ライオネル」。＊

＊また正確せいかくには父親ちちおやが「ライオネルシニア」でライオネル自身じしんは「ライオネルジュニア」。＊

「ライオネル様さま、お父様とうさまとお母様かあさまがダイニングルームでお待まちです」

＊「ダイニングルーム」とは食事しょくじをする部屋へやの事こと。＊

執事しつじのセバスチャンがライオネルに告つげた。

「うん。今いますぐ行いくよ」

ライオネルはセバスチャンと共ともにダイニングルームへと向むかった。

――この屋敷やしきは大おおきくて広ひろい。

歴史れきしも有ある。

っていうのもライオネル家けはこのロード・ライオン王国おうこくの公爵家こうしゃくけだし建設業けんせつぎょうといった重工業じゅうこうぎょうを主事業しゅじぎょうとするライオネル・グループの創業者一族そうぎょうしゃいちぞくなんだ。

＊「ロード・ライオン王国おうこく」とは「ロード」という名なのライオン族ぞくの者ものが初代しょだいの王おうとして建国けんこくした王国おうこくの事こと。＊

＊「公爵こうしゃく」とは一般的いっぱんてきにもロード・ライオン王国おうこくでも公爵こうしゃく、侯爵こうしゃく、伯爵はくしゃく、子爵ししゃく、男爵だんしゃく、準男爵じゅんだんしゃくという貴族階級きぞくかいきゅうの中でも最高位さいこういの爵位しゃくいの事こと。＊

＊またライオネル家けの始祖しそ ライオネルは初代王しょだいおう ロードと共に王国おうこくを造つくった家臣かしんでありライオネル家けは由緒ゆいしょ正ただしき公爵家こうしゃくけだった。＊

2/4. おはようございます

「お父様とうさま、お母様かあさま、おはようございます」

ライオネルは父親ちちおやと母親ははおやに朝あさの挨拶あいさつをすると椅子いすに座すわった。

「ふん」

父親ちちおやのライオネルシニアはいつもの様ように新聞しんぶんを読よみながら鼻はなで挨拶あいさつした。

「おはよう、ライオネル」

母親ははおやのリリーもいつもの様ようにライオネルに微笑ほほえむ様ように挨拶あいさつした。

「シェリルもおはよう」

ライオネルはいつもの様ように続つづけて妹いもうとのシェリルにも挨拶あいさつした。

「お兄にいちゃんおはよう！」

シェリルもいつもの様ように元気げんきに挨拶あいさつした。

「さぁ食たべましょう♪」

リリーは微笑ほほえみながら食事しょくじを促うながした。

「はい。いただきます」

ライオネルも皆みなも食事しょくじの挨拶あいさつをすると朝食ちょうしょくを食たべ始はじめた。

3/4. ところでお前（まえ）はどの「」に

「ところでお前まえはどのクラブに入はいるんだ？」

シニアがライオネルに入はいる部活ぶかつについて訊きいた。

というのもライオネルは高校こうこうに進学しんがくしたから部活ぶかつを選えらばなければいけないのだ。

「――まだ決きめていません……」

ライオネルは「カーレース部ぶ」に入はいりたかったのだが父親ちちおやに激はげしく反対はんたいされるのが分わかっていたからそうは言いえなかった。

＊ライオネルは幼おさない頃ころからカーレースが大好だいすきで将来しょうらいはカーレーサーになりたかったのだがそれが簡単かんたんには許ゆるされないのは同おなじエンジンを使つかって戦たたかうカーレースでは猛獣族もうじゅうぞくは体からだが大おおきいから車体しゃたいを大おおきくせざるを得えずまた重量じゅうりょうがかさむから小動物族しょうどうぶつぞくである「小ちいさき者達ものたち」と戦たたかうのは不利ふりでありエンジンが開発かいはつされた当初とうしょは富裕層ふゆうそうが多おおい猛獣族もうじゅうぞくがレースを始はじめたのだが次第しだいに自分達じぶんたちが不利ふりだと分わかりプライドが高たかい者ものが多おおかったから猛獣族もうじゅうぞくは次第しだいにカーレースを避さけていったという歴史的れきしてきな背景はいけいが有あった。＊

「そうか……お父とうさんはお前まえに『ラグビー部ぶ』に入はいってほしい。それが嫌いやならせめて戦闘術せんとうじゅつを磨みがける『総合格闘技部そうごうかくとうぎぶ』やお父とうさんの会社かいしゃを継つぐのに備そなえて学まなべる『建築学部けんちくがくぶ』や『工学部こうがくぶ』だ」

ライオネル家けはライオン族ぞくの公爵家こうしゃくけであり伝統でんとう有ある名門めいもんの一家いっかだから猛獣族もうじゅうぞくにとって花形はながたである『ラグビー部ぶ』に入はいってほしくて、それが駄目だめなら最低さいていでも暴力ぼうりょくを使つかう下品げひんだと見下みくだしている『総合格闘技部そうごうかくとうぎぶ』や後継あとつぎとして殊勝しゅしょうな心掛こころがけだが設計せっけいといった本来ほんらいは柔な「小さき者達」にやらせておけばいい建築学が学べる「建築学部」や工学が学まなべる「工学部こうがくぶ」などに入はいってほしかった。

「はい……そう思おもってます……」

ライオネルにとって父ちちの言葉ことばは絶対ぜったいだしやはり従したがうしか無なかった。

「ならいい」

シニアは息子むすこであり自身じしんの後継者こうけいしゃであるライオネルの為ためにも輝かがやかしいキャリアを歩あゆんでほしかった。

4/4. お兄（にい）ちゃん「」に入（はい）るの？

「お兄にいちゃんラグビー部ぶに入はいるの？」

シェリルは大好だいすきなお兄にいちゃんであるライオネルがどの部活ぶかつに入はいるのか興味津々きょうみしんしんだった。

「まぁうん……」

ライオネルは明言めいげんは出来できなかった。

「まだラグビー部ぶと決きめた訳わけではないのよね？」

リリーはライオネルの気持ちを尊重したいからプレッシャーを掛けたくはなかった。

「そうですがラグビー部ぶを第一だいいちに考かんがえてますよ」

ライオネルは出来できる限かぎり理想りそうの長男ちょうなんでありたいと思おもっていて絶対ぜったいに入はいらなければならないのならカーレース部ぶ以外いがいではラグビー部ぶしか無ないと思おもっていた。

「やった！」

シェリルもラグビー部ぶでライオネルが活躍かつやくしている姿すがたが見みたかった。

「そう……」

リリーはライオネルがカーレースが好すきな事ことは知しっていて高校こうこうから有あるカーレース部ぶに自分じぶんの気持きもちを優先ゆうせんして入はいってほしかった。

というのもリリーも名門めいもんのライオン族ぞくの一族出身いちぞくしゅっしんで兄あにが本当はサッカー部ぶに入はいって将来しょうらいはサッカー選手せんしゅになりたかったのに父親ちちおやにラグビーをさせられ家業かぎょうを継つがされていたのを見みていたからライオネルには同おなじ思おもいをさせたくなかったのだ。

＊猛獣族もうじゅうぞく、別名べつめい「大おおいなる者達ものたち」や「大動物族おおどうぶつぞく」の中なかでも特とくにライオン族ぞくはライオンが王家おうけだしプライドが高たかいし小ちいさき者達ものたちに敗北はいぼくすれば即すなわち大動物族おおどうぶつぞくと小動物族しょうどうぶつぞくの地位逆転ちいぎゃくてん、ひいては国家転覆こっかてんぷくと考かんがえてしまう程ほど小動物族しょうどうぶつぞくへの敗北はいぼくを恐おそれているから猛獣もうじゅうとして、特とくに百獣ひゃくじゅうの王おうとしての強つよさを誇示こじし敗北はいぼくを避さける事ことに伝統でんとうを重おもんじる者達ものたち程ほど固執こしつしていた。＊

－続（つづ）きは執筆中（しっぴつちゅう）－